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複数フロア・複数棟のウェイファインディング:複雑な施設におけるナビゲーション管理

単一フロアの建物なら、ナビゲーションは簡単です。しかし、10棟50フロアのキャンパスとなると、まったく別の課題になります。難しさはマップの数だけではなく、訪問者が一度も行ったことのない建物やフロアにある目的地を見つけられるよう支援することにあります。複数施設のウェイファインディングには構造が必要であり、その構造はマップの整理方法から始まります。大学がこの課題にどう取り組んでいるかをご覧ください。

棟横断ナビゲーションの課題

訪問者が単一フロア内を移動する場合、必要なのは1枚のマップと1つの「現在地」マーカーだけです。しかし、フロアをまたぐ移動が必要な場合、システムは訪問者の現在位置のコンテキストを維持しながら、別のフロアマップ上の目的地を表示する必要があります。さらに棟をまたぐ移動となると、複雑さはさらに増します。

訪問者のメンタルモデルはシンプルです。「自分はここにいて、あそこに行きたい」。ウェイファインディングシステムは、どの棟か、何階か、どの入口かといった複雑さをすべて処理し、一回の検索操作で完結させなければなりません。訪問者が目的地を検索する前に、それがどの棟にあるかを知っている必要があってはならないのです。

ここが、ほとんどの物理的サインが失敗するポイントです。A棟のディレクトリボードにはA棟の目的地しか掲載されていません。C棟に行きたい訪問者は、まずキャンパスディレクトリを見つけ、C棟を見つけ、そこまで歩き、その棟のディレクトリを見つけ、それからフロアを探す必要があります。棟横断検索機能を持つデジタルウェイファインディングなら、これを一つのステップに集約できます。

サイト階層の構成方法

QRCodeMapsはサイトとマップの2階層構造を採用しています。適切な構成はシナリオによって異なります。

複数フロアのある単一建物の場合:1つのサイト、フロアごとに1つのマップ。5階建てのオフィスビルなら、1つのサイトに5つのマップ(「1階」「2階」など)を配置します。

複数棟のあるキャンパスの場合:キャンパス全体で1つのサイト。各棟の各フロアが個別のマップとなります。平均3階建ての建物が4棟あるキャンパスなら、1つのサイトに12のマップと屋外キャンパス概観マップを配置します。

地理的に分散した組織の場合:拠点ごとに1つのサイト。ロンドン、ニューヨーク、東京にオフィスを持つ企業は3つのサイトを作成します。各サイトにはその拠点のフロアマップが含まれ、訪問者は自分の拠点のサイト内で検索します。

重要な原則:1つのサイト内のすべてはクロス検索可能です。サイト内の任意のマップ上のQRコードをスキャンした訪問者は、同じサイト内の他のどのマップ上のマーカーでも検索して見つけることができます。これが複数フロア・複数棟のナビゲーションをシームレスにする仕組みです。

棟横断検索の実際

大学の学生が理学部棟のロビーに立ち、「学部長室」を検索するとします。学部長室は管理棟の2階にあります。検索結果が表示され、マップが管理棟2階に切り替わり、学部長室のマーカーがハイライトされます。

学生はこれで、目的地が管理棟の2階にあることがわかります。キャンパス概観マップを参照すれば、理学部棟に対する管理棟の位置を確認できます。そして管理棟まで歩き、入口のQRコードをスキャンして位置を再確認します。

このフローは、棟間で一貫したマーカー命名に依存しています。学部長室がマップ上で「201号室」とだけラベル付けされている場合、「学部長室」で検索してもヒットしません。複数棟の環境では、訪問者が各棟に何があるかのコンテキストが少ないため、命名がより重要になります。物流センターが複数倉庫キャンパスで同じ棟横断検索をどう活用しているかをご覧ください。

複雑な施設のPOI命名戦略

複数棟にまたがる施設のPOI(目的地)には、訪問者を助ける命名規則が必要です。混乱させてはいけません。

建物の外から移動してくる目的地には、建物名や略称を含めます。「理学部棟 — 301号室」や「管理棟 — 学部長室」のようにします。別の棟から検索する訪問者には、建物のコンテキストが必要です。

同じ建物内から移動する目的地には、建物名はそれほど重要ではありません。訪問者はすでにどの棟にいるか知っているため、「301号室」や「学部長室」で十分です。

実用的な解決策:利用頻度の高い目的地には建物名を含め、フロアレベルのマーカーには省略します。検索機能は部分一致するため、「学部長室」で検索しても「管理棟 — 学部長室」にマッチします。

訪問者が知らない内部コードは避けてください。「SCI-301」は初めての訪問者には意味がありません。「理学部棟 301号室」なら誰にでも明確です。QRコードベストプラクティスガイドでマーカー命名について詳しく解説しています。

キャンパス概観マップ

複数棟の施設では、屋外または航空写真の概観マップが、棟間ナビゲーションの重要なレイヤーとなります。このマップは、すべての建物、通路、駐車エリア、屋外ランドマークを1つのビューで表示します。

Google MapsやOpenStreetMapの衛星画像を施設の境界に合わせてクロップして使用します。各建物に建物名のマーカーを配置します。概観マップから検索した訪問者は、どの建物に行けばよいかがわかり、その建物の入口でQRコードをスキャンすればフロアレベルのナビゲーションに進めます。

概観マップのQRコードは以下の場所に設置します:キャンパスのメインエントランス、駐車場の出口、バス停や交通拠点、屋外の集合エリア。これらは、訪問者がフロアレベルの詳細に入る前に、建物レベルのオリエンテーションを必要とするポイントです。

施設によっては2層の概観が有効です。建物の位置を示すキャンパス全体マップと、入口の位置を示す建物外観マップです。これは訪問者が正しい入口を見つけるのに役立ちます。特に病院では、間違った入口から入ると移動に10分余計にかかることがあるため、非常に有用です。

成長する施設でのウェイファインディングのスケーリング

複雑な施設は変化し続けます。新しい建物がオープンし、既存の建物にフロアが追加され、屋外エリアが再構成されます。スケーラブルなウェイファインディングプラットフォームは、全面的な再設計なしにこれらの変化に対応します。

新しい建物の追加:既存のサイト内に新しいマップを作成します。フロアプランをアップロードし、マーカーを配置し、QRコードを印刷します。新しい建物の目的地は、キャンパス上のすべての既存QRコードから即座に検索可能になります。既存のマップへの変更は不要です。

既存の建物へのフロア追加:新しいマップを1つ作成し、マーカーを配置し、QRコードを印刷します。既存のフロアマップには影響ありません。

建物や部門の名称変更:マーカー名を更新します。すべての既存QRコードは引き続き機能します。QRコードは名前ではなくマーカーIDを指しているためです。訪問者には即座に更新された名前が表示されます。

運用上のオーバーヘッドは線形にスケールします。新しいマップの設定にはそれぞれ30〜60分かかります。5棟から10棟に成長するキャンパスはマップ数が2倍になりますが、既存のマップの再編成は必要ありません。CBREの2024年キャンパス施設レポートによると、平均的な企業キャンパスは年間1〜2棟を新築または大規模改修しており、セルフサービスのマップ編集なら容易に対応できるペースです。

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Tom Aldridge
Indoor Navigation Specialist

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